【3Dプリンター】PLAフィラメントとは?特徴や強度について
2026年01月13日
3Dプリンター用フィラメントの基礎知識!PLAフィラメントの特徴や強度を解説
3Dプリンターのフィラメントにはさまざまな種類がありますが、その中でもPLAは最も一般的で、初心者からプロまで幅広く利用されているフィラメントです。環境に優しく、扱いやすい特徴を持つ一方で、その強度や適した用途については深く理解されていないことも少なくありません。
こちらでは、PLAはどのようなフィラメントなのか、基本的な特徴、PLAフィラメントの強度について詳しく解説いたします。
PLAフィラメントとは

3Dプリンター用のフィラメントとして最も広く普及しているPLAは、その扱いやすさと環境への配慮から、多くのユーザーに選ばれています。
こちらでは、PLAとは何か、普及背景について解説いたします。
PLA(ポリ乳酸)とは?
PLAは「ポリ乳酸」の略称であり、その最大の特徴は、植物由来のバイオマスプラスチックであるという点です。
・植物由来の材料
主にトウモロコシのデンプンやサトウキビなどを原料として作られています。石油を原料とする一般的なプラスチックとは異なり、再生可能な資源から生産されるため、持続可能性に貢献するフィラメントとして注目されています。
・生分解性プラスチック
特定の条件下(堆肥化施設など)で微生物によって水と二酸化炭素に分解される性質を持っています。これにより、環境負荷が低いフィラメントとして認識されています。
普及した背景
PLAフィラメントが3Dプリンター用として広く普及した背景には、いくつかの理由があります。
・比較的安価な入手性
他の高性能フィラメントと比較して、製造コストが比較的低いため、安価に提供されています。これにより、3Dプリンターを始めたばかりの方や、試作を繰り返す方にとって、手軽に利用できる選択肢となっています。
・造形の容易さ
比較的低い溶解温度で造形できるため、多くの3Dプリンターで特別な設定なしに利用できます。また、造形中の反り(ワープ)や収縮が少ないという特徴も、安定した造形を可能にする大きな要因です。
・環境負荷への意識
生分解性という特徴が、環境意識の高い方からの支持を集めています。
これらの理由から、PLAフィラメントは3Dプリンターの入門用として、また日常的な造形や教育用途において、非常に一般的なフィラメントとして定着しています。
PLAフィラメントの特徴

PLAは、その扱いやすさから3Dプリンター用フィラメントのスタンダードとして位置づけられていますが、造形時および造形後に現れる独自の特徴、そして注意すべき点があります。
これらの特徴を把握することは、PLAフィラメントのメリットを最大限に活かし、その限界を理解したうえで最適な造形計画を立てるために大切です。
こちらでは、PLAフィラメントの主な特徴と、利用上の注意点について解説いたします。
造形時の特徴
PLAフィラメントは、多くの3Dプリンターユーザーにとって造形しやすい材質として認識されています。
・比較的低い溶解温度
PLAは、約180℃~210℃という比較的低い温度で溶融します。これにより、加熱に時間がかからず、多くの安価な3Dプリンターでも安定して造形できるというメリットがあります。
・反り(ワープ)や収縮が少ない
造形中の温度変化による材質の収縮が少ないため、特に大型の造形物や複雑な形状の部品でも、底面が浮き上がったり歪んだりする「反り」が発生しにくいという特徴があります。
・特定の匂いが少ない
造形中の刺激的なプラスチック臭は、ほとんどしません。これは、屋内での使用や換気が限られた環境において、ユーザーにとって快適な点となります。
・サポート材の除去のしやすさ
PLAは脆性があるため、サポート材を比較的容易に除去できる傾向があります。これにより、後処理の手間を軽減できます。
造形物の特徴と注意点
PLAフィラメントで造形された物体は、特定の視覚的・物理的特徴を持ちますが、同時に使用上の注意点も存在します。
・硬くて滑らかな表面
PLAで造形されたオブジェクトは、表面が硬く、滑らかな仕上がりになりやすいです。また、積層痕が目立ちにくい傾向もあります。
・豊富なカラーバリエーション
着色しやすい材質であるため、市場には非常に多くの色や半透明のPLAフィラメントが提供されており、表現の幅を広げることができます。
・耐熱性が低い
PLAの最大の弱点の一つは、耐熱性の低さです。約60℃の比較的低い温度で軟化・変形し始めるため、高温になる場所での使用や、直射日光に当たる場所での保管には注意が必要です。
・紫外線や湿気に弱い
紫外線に長時間さらされたり、高湿度の環境に置かれたりすると、徐々に劣化し、脆くなったり変色したりする可能性があります。そのため、保管方法にも配慮が必要です。
・衝撃に比較的弱い
硬くて丈夫に見えますが、急激な衝撃に対しては割れやすいという脆性があります。これにより、落下や強い力が加わる可能性のある部品には不向きな場合があります。
これらの特徴を理解することで、PLAフィラメントの利点を最大限に活かしつつ、その限界を認識したうえで最適な造形物を作成することが可能となります。
PLAフィラメントの強度
PLAフィラメントは、その造形の容易さから広く利用されていますが、その強度特性については、他のフィラメントと異なる特徴を理解しておく必要があります。
PLAは一般的に「硬い」という印象を持たれがちですが、その強度には特定の条件下での弱点も存在します。
こちらでは、PLAフィラメントの強度の概要、その脆性(もろさ)について、そして強度を向上させるための具体的な工夫、さらにはPLAフィラメントが適した用途について解説いたします。
PLAフィラメントの強度特性の概要と脆性
PLAフィラメントの強度は、引っ張る力や曲げる力に対しては一定程度良好です。しかし、最大の弱点はその脆性(もろさ)にあります。急激な衝撃や落下に対しては、ABSなどの他のフィラメントに比べて割れやすい特徴があります。これは、プラスチックが持つ「粘り」が比較的少ないためです。
また、FDM方式の3Dプリンターで造形されたオブジェクトは、積層された層の間で剥がれやすいという特性を持つことがあり、特にPLAの場合、層間の密着性が不十分だと、積層方向に沿って力が加わった際に強度が低下する可能性があります。
強度を向上させる工夫と適する用途
PLAフィラメントの脆性や積層方向の強度の弱点を補い、造形物の強度を向上させるためには、いくつかの工夫が可能です。
・積層ピッチと充填率の調整
積層ピッチを細かくしたり、造形物内部の充填率を高く設定したりすることで、造形物全体の強度と層間の密着度を向上させることができます。
・壁の厚さとインフィルパターンの最適化
外壁の枚数を増やしたり、内部の充填パターンを目的の強度特性に適したものにしたりすることも有効です。
・アニール処理
造形後に熱処理(アニール処理)を施すことで、PLAの耐熱性と強度が改善される場合があります。ただし、寸法変化には注意が必要です。
PLAフィラメントは、その強度特性を踏まえると、以下のような用途に適しています。
・プロトタイプ、コンセプトモデル
デザインや形状の確認を目的とした試作品に最適です。
・装飾品、フィギュア、おもちゃ
高い強度や耐熱性が要求されない、観賞用や軽度の使用を目的とした造形物に適しています。
・教育用途
3Dプリンターの基本的な操作を学ぶための教材や、簡単なモデル作成に広く利用されます。
PLAフィラメントの強度特性を正しく理解し、適切な造形設定や後処理を行うことで、ニーズに合わせた造形物の品質を最大限に引き出すことが可能です。
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