3Dプリンターのフィラメントに使われる柔軟素材の特徴と出力のポイント
2026年09月17日
3Dプリンターで使う柔軟素材とは:素材特性から適切な出力条件まで解説
3Dプリンターで柔軟素材のフィラメントを活用することで、ゴムのような弾力性を備えた部品の試作や製造を効率化できます。一方で、柔軟素材は一般的な硬質プラスチックとは物理的な性質が異なるため、フィラメントの送り出しや積層時の条件に配慮する必要があります。
こちらでは、素材選びの基準となる硬度の見方をはじめ、硬質素材との性質の違いや、造形を安定させるためのパラメーター設定のポイントをご紹介します。
柔軟素材の3Dプリンター造形を支えるホッティーポリマー株式会社
ホッティーポリマー株式会社は、柔軟素材フィラメントを用いた造形に関する機器選定や素材選びを、専門的な知見からサポートしております。長年培ってきたゴム・樹脂加工のノウハウを活かし、特許を取得したスーパーフレキシブルタイプをはじめ、独自の柔軟素材フィラメント「HPフィラメント®(スーパーフレキシブルタイプ)(フレキシブル75Aタイプ)」を開発・製造・販売しています。一般的なMEX方式の3Dプリンターでゴムライクな部品を造形できる素材として、試作や部品開発に活用できます。
さらに、自社開発のシリコーンゴム100%3Dプリンター「SILICOM(シリコム)」も展開し、柔軟性が求められるさまざまな素材の造形に対応しております。メーカーとしての技術力と、国内外の3Dプリンターを取り扱う代理店としての幅広い選択肢を活かし、特定のブランドに限定されない中立的な視点から機器や素材を提案できる点も強みです。
柔軟素材フィラメントを用いた3Dプリンター造形を検討している企業担当者の方は、ホッティーポリマー株式会社へご相談ください。
3Dプリンターのフィラメントにおける柔軟素材の柔らかさの指標
柔軟素材のフィラメントを選定する際は、素材の柔らかさを示す指標を確認することが重要です。用途に適した素材を選ぶためにも、硬度の見方を正しく理解しておく必要があります。
柔らかさを示すデュロメータ硬さ
ゴムやエラストマーの硬さを示す指標として、デュロメータ硬さ(ショア硬度)が用いられます。対象となる素材の硬さに応じて複数のスケールがあり、代表的なものとして以下が挙げられます。
- 比較的柔らかい素材を測定するAスケール
- 硬質な素材を測定するDスケール
Aスケールはゴムやエラストマーなどの柔らかい素材に、Dスケールはプラスチックのような硬さを持つ素材の評価に使用されます。
数値の見方と用途に応じた選定
デュロメータ硬さは、基本的に数値が低いほど柔らかく、高いほど硬いことを示します。数値が高くなるにつれて変形しにくくなるため、必要な柔軟性や弾力性に応じてフィラメントを選定することが大切です。
作成する製品の用途に適した硬度のフィラメントを選ぶことは、造形物に求められる機能を実現するうえで重要なポイントです。特に、以下のような製品では素材選びが重要になります。
- 密閉性が求められるパッキン
- 手に馴染む感触が必要なグリップ
- 衝撃を吸収するクッション材
柔軟素材フィラメントを使用する際は、製品の設計要件を確認したうえで、デュロメータ硬さの数値やスケールを比較し、用途に適した素材を選定します。
3Dプリンターのフィラメントにおける柔軟素材と一般的な素材の違い
3Dプリンター用フィラメントには、硬質素材から柔軟素材までさまざまな種類があります。用途に適した素材を選ぶためには、それぞれの性質や造形時の特徴を比較し、違いを理解しておくことが重要です。
硬質素材と柔軟素材の違い
PLAやABSなどの一般的な硬質フィラメントと柔軟素材では、機能や特性が異なります。硬質素材は剛性が高く形状を維持しやすい一方、柔軟素材は弾力性があり、曲げや衝撃に対して変形しやすい性質があります。このように剛性と柔軟性の性質が異なるため、製品の用途や求められる機能に応じた素材選定が必要です。
柔軟素材を造形する際の課題
柔軟素材は優れた機能性を持つ一方、造形時には特有の難しさがあります。代表的な課題は以下のとおりです。
- エクストルーダー内部での座屈(折れ曲がり)
- ノズル付近での詰まり
フィラメントが柔らかいことで押し出す力が伝わりにくく、こうしたトラブルにつながる場合があります。
特定の用途における柔軟素材の重要性
柔軟素材フィラメントは、シール部品や緩衝材など、硬質素材では対応しにくい用途で活用されています。変形への追従性や密着性が求められる製品では、柔軟素材の弾力性が機能の発揮につながります。試作段階から素材の特性を考慮して造形することが、用途に適した部品開発につながります。
3Dプリンターで出力する際のパラメーター調整のコツ
柔軟素材フィラメントで安定した造形を行うには、スライサーソフトのパラメーター設定が重要です。硬質素材とは押し出し時の挙動が異なるため、素材の特性に合わせた調整が求められます。
プリントスピードの調整
フィラメントの座屈や押し出し不良を防ぐため、プリントスピード(印刷速度)は硬質素材よりも遅めに設定することが基本です。速度を落とすことで、柔軟なフィラメントに過度な負荷がかかるのを抑え、安定した押し出しにつながります。
リトラクション設定の見直し
リトラクション(引き戻し)の設定も確認が必要です。柔軟素材は引き戻し時にフィラメントが変形しやすいため、引き戻し距離を短くしたり、設定をオフにしたりすることで、詰まりや押し出し不良を抑えられる場合があります。素材や機器に合わせて調整することが大切です。
ノズルとプラットフォームの温度管理
ノズル温度やプラットフォーム温度は、使用する素材の推奨条件を基準に設定します。適切な温度管理は、層間の密着性や造形物の安定性に影響します。まずは推奨値を参考にし、実際の造形結果を確認しながら調整することがポイントです。
ホッティーポリマー株式会社では、素材特性を踏まえた機器選定や造形に関する技術相談にも対応しております。柔軟素材フィラメントの選定や造形条件の設定についてお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
【Q&A】柔軟素材のフィラメントについての解説
- 柔軟素材のフィラメントを選ぶ際、柔らかさはどう判断しますか?
- デュロメータ硬さ(ショア硬度)を基準に判断します。柔らかい素材にはAスケールが用いられ、数値が低いほど柔らかくなります。用途に合う適切な硬度の素材を選定することが重要です。
- 硬質素材と比べて、柔軟素材で造形する際に気を付ける点は何ですか?
- 柔軟素材は弾力性がある反面、造形時に特有の難しさがあります。硬質素材とは異なり、フィラメントが柔らかいため押し出す力が伝わりにくく、座屈やノズルでの詰まりが起こりやすい点に注意が必要です。
- 柔軟素材で安定して造形するために、設定で工夫すべき点はありますか?
- 座屈や詰まりを防ぐため、プリントスピードを硬質素材より遅めに設定することが基本です。また、リトラクション距離を短くしたりオフにしたりすることも有効です。ノズルやプラットフォームの温度は、推奨値を基準に調整するとよいでしょう。
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