3Dプリンターで広がるシリコン素材の可能性|加工の難しさと試作・医療への活用

2026年09月17日

シリコン素材を3Dプリンターで活用するには?加工の難易度と試作・医療分野への展開

3Dプリンターでシリコン(シリコーンゴム)素材を扱うことで、柔軟性が求められる部品の試作や医療用モデルの開発を効率化できます。一方、シリコンの造形には、一般的な硬質樹脂とは異なる弾性素材特有の加工上の難しさがあります。そのため、素材の特性を正しく理解し、目的に応じた適切なプロセスを選択することが重要です。

こちらでは、柔軟素材を扱う際の加工特性や、製品開発における試作の有効性について解説します。さらに、シリコン素材の人体に近い感触を活かした医療分野での具体的な応用例もご紹介します。

シリコン素材の3D造形・製品開発ならホッティーポリマー株式会社へ

ホッティーポリマー株式会社では、柔軟素材を用いた部品の造形から研究開発のサポートまで、一貫したサービスを提供しております。半世紀以上にわたり培ってきたゴムメーカーとしての技術とノウハウを基盤に、シリコーンゴム100%で3D造形を可能にした「SILICOM(シリコム)」を開発しました。

SILICOMでは、超軟質から高硬度まで幅広い硬度を選択でき、標準色に加えて特注色にも対応可能です。また、独自開発の専用スライサーソフトにより造形条件を最適化し、積層痕を抑えた高品質な造形を実現しております。特許取得済みの「架橋接合®」によって、複雑な形状や長尺の造形にも対応できます。

医療分野では、骨モデルと筋膜形状を組み合わせたモデルや心臓・血管モデルなどの採用例があります。患者への説明や手術前のシミュレーション、縫合テストなど、用途に応じたモデル製作に活用されております。

長年にわたる研究・開発・製造の中で培った豊富な経験と数々の実績から、お客様のニーズに応じて最適なご提案をさせていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。

3Dプリンターで扱う弾性素材の加工難易度

3Dプリンターで扱う弾性素材の加工難易度

3Dプリンターで弾性素材を扱う場合、一般的な硬質プラスチックと比べて加工難易度が高くなります。素材特有の柔らかさにより、造形時の押し出し工程でたわみが生じたり、積層する過程で自重によって形状が崩れたりしやすいためです。

弾性素材を扱う際の主な課題として、以下の要素が挙げられます。

  • 押し出し時の素材のたわみやノズル内部での詰まり
  • 積層時における形状維持と寸法の安定性確保
  • 素材の硬化特性に適した専用機器の選定

特に熱硬化性を持つシリコーンゴムを造形する場合、樹脂を熱で溶かして積層する一般的なMEX方式では対応できません。シリコーンゴムを造形するには、UV硬化液状のシリコンを押し出し、UV硬化させる専用機構を備えた3Dプリンターが必要です。

素材の特性を理解したうえで適切な機器を選定し、造形パラメーターを調整することが、安定した造形には欠かせません。ノズルの移動速度や素材の押し出し量、硬化のタイミングなど、弾性素材に合わせた細かな条件設定が求められます。

開発プロセスにおける試作の有効性

開発プロセスにおける試作の有効性

製品開発のプロセスにおいて、3Dプリンターを活用した試作は、開発全体の効率化に寄与します。従来、柔軟な部品を製作するには金型の製作が必要となる場合があり、コストや時間がかかることが課題でした。3Dプリンターを活用すれば、設計データから直接造形できるため、金型を使わずに迅速な試作品の製作が可能となり、開発リードタイムの短縮につながります。

複数パターンの同時検証

設計データを修正することで設計変更にも柔軟に対応できるため、以下のような検証を効率的に行えます。

  • 形状バリエーションの同時テスト
  • 硬さの異なる素材の比較検証
  • 製品の機能性や感触の早期確認

試作段階で複数の仕様を並行して検証することで、目的の性能を満たす設計要件を早期に決定できます。実際の試作品を手に取って確認できることは、デジタル上の検証だけでは得られない利点です。

量産移行時の手戻り防止

最終的に金型成形などによる量産へ移行する際にも、事前の試作検証が役立ちます。3Dプリンターで実際の使用環境に近い状態の試作品を製作し、機能性や感触を確認しておくことで、金型製作後の設計修正や仕様変更のリスクを抑えられます。結果として、開発にかかる時間やコストの削減、製品化プロセスの効率化につながります。試作段階での十分な検証は、本格的な量産をスムーズに進めるための重要な工程です。

シリコン素材の人体に近い感触を活かした医療分野への応用

シリコン素材が持つ柔軟性や人体に近い感触は、医療分野における技術的なサポート用途にも活用されています。特に、実際の組織に近い感触が求められるモデルの製作では、弾性素材の特性が活かされています。

手術のシミュレーションと手技練習への活用

医療分野における応用例として、手術のシミュレーションや手技練習に用いる臓器モデル、靭帯モデルなどの造形が挙げられます。3Dプリンターを活用することで、患者ごとのCTデータなどをもとに、複雑な形状を再現することが可能です。実際の臓器に近い感触で切開や縫合などの練習を行えるほか、患者固有の構造を反映した手術前の確認にも活用できます。

シリコン素材を用いたモデルは、生体に近い柔軟性や感触を再現できるため、実際の手技に近い感覚で操作を確認する用途に適しています。治療効果を目的としたものではなく、手術計画や手技の検討を支援する技術的なツールとして活用されています。

医療器具の部品試作への適用

シリコン素材の中には、生体適合性(*1)や滅菌処理への耐性を備えたものがあります。こうした特性を活かし、医療器具のカバーやシール部品など、柔軟性が求められる部品の試作にも活用されています。3Dプリンターを用いれば、金型を使わずに試作品を製作できるため、開発段階での形状確認や機能テストを効率的に進められます。柔軟素材を用いた医療器具の開発において、設計検証のスピードアップにもつながります。

(*1 お客様で使用可否を十分にご確認お願い致します。)

医療分野で使用するモデルや部品には、用途に応じた素材選定や造形精度が求められます。シリコン素材を用いた3D造形について検討している場合は、用途や必要な性能を整理したうえで、専門的な知見を持つホッティーポリマー株式会社へご相談ください。

【Q&A】シリコン素材の3Dプリントについての解説

弾性素材を3Dプリンターで造形するのが難しい理由は何ですか?
素材の柔らかさにより、押し出し時のたわみや積層時の形状崩れが起こりやすいためです。UV硬化性のシリコーンゴムを扱う場合は、液状素材を押し出し、UV硬化させる専用機器に加え、細かな造形条件の設定が必要になります。
3Dプリンターで試作を行うメリットは何ですか?
金型を使わず迅速に製作でき、開発期間を短縮できる点です。形状や硬さの異なる複数のパターンを同時に検証できるため、量産移行時の手戻りリスクを抑え、製品化プロセスの効率化にもつながります。
シリコン素材は医療分野でどのように活用されていますか?
人体に近い感触を活かし、手術シミュレーションや手技練習に用いる臓器モデルなどの造形に活用されています。また、生体適合性(*1)や滅菌への耐性を持つ素材は、医療器具のカバーなど、柔軟性が求められる部品の試作にも利用されています。

(*1 お客様で使用可否を十分にご確認お願い致します。)

工業用3Dプリンターの導入や造形に役立つコラム

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